
今から50年前、カンロ飴は誕生しました。発売と同時に大ヒットを飛ばしたこの飴は、実は大変な苦労と英知の結晶でした。
手前味噌ですが、ちょっと誇らしい誕生秘話をカンロのウェブサイトを訪れてくれた皆さんに公開いたします。
日本人には、日本人だけが好む味がある・・・
50年前のハードキャンディは、欧米からの文化そのままに甘くておいしい、そして甘さを楽しむためにフルーツミルクなどの香りと色が着いている商品がほとんどでした。どうしたらそのようなキャンディと差別化できて、日本人ならではの嗜好にあった商品をつくることができるのだろう?当時社長の宮本政一は現状に甘んじることなく、今までにない新しい商品でお客様の期待に応えたいと思っていました。そしてそれまで誰も行ったことのない食卓の調味料の醤油を加えてキャンディの味付けをすることを思い立ちます。
日本人の食文化が長年かけて熟成したものに基づいたこのアイデアは最終的においしい飴として完成しますが、その完成までの道のりは困難の連続でした。
飴は基本的に砂糖と水飴を200度近い高温で煮詰め、水分を飛ばして作られます。従来そこに高温に耐えうる「フレーバー」や「果汁」、「着色料」が添加され、おいしい飴として完成するわけですが今回添加するものは醤油という前例のない「調味料」です。添加したらどうなるのか?配合基準も手がかりすらない中、暗中模索で試作が始められました。好奇と期待のまなざしで皆が見つめる中、出来上がった試作第一号は・・・お世辞にも美味しいとはいえない、にごった茶色でしかも焦げ臭く思い描いていたキャンディとは程遠いものでした。後日、通常のキャンディよりもべとついてしまうという問題点も判明します。
試行錯誤の連続、少し前進してはまた後退し、いつ諦めてもおかしくない状況下、この壁を乗り越えようと社長以下開発マンの努力が続きます。
透き通った美しい色の実現、べたつきの解消・・・あと少し!そして最後に残った問題は「焦げ臭さ」でした。200度近い高温の釜に投入された醤油は、懸命の試行錯誤にもかかわらずあっという間に焦げが発生し、繊細な飴の風味を損なってしまうのです。あと少しだけれども高い壁です。しかしこの壁を乗り越えなければ、今までの苦労はすべて水の泡です。
醤油ならではの風味の豊かさを残したまま、焦げ臭さをとるには醤油がキャンディを煮るときの高温に耐えなくてはいけません。山口県のカンロ工場にほど近い醤油メーカーと共同研究が開始され、長く苦しい試行錯誤の結果、ついにカンロ飴専用の特別な「焦げない醤油」が生まれました。同時にそれはいままで誰もつくったことのない味の飴、「カンロ飴」の誕生でもありました。
そしてついにその日は来ました。透き通ったこはく色、日本的風味でコクのある味、しかもあっさりした後味の飴が完成したのです。その後ほどなく、普通の飴玉が1個1円程度という時代に1個2円で売り出されたにもかかわらず爆発的なヒットを飛ばします。
今もカンロ飴は、そのころと何も変わりません。時代は変わり新しいものは次々生まれても専用の醤油で作る製法、透き通ったこはく色、コロリとしたかわいさ、そして変わらない味わいをカンロ飴は守り続けてきました。
今まで同様きっと明日もあさっても開発者の思いそのままに、カンロ飴はいつも変わらず一緒に歩んで行きたいと思います。
「カンロ飴は包み紙の色によって味が違う?」カンロ飴の包み紙が2種類あるのが不思議に思われるらしく、よくこういったご質問をいただきます、残念ながらといいましょうか、中身のキャンディは全く同じものです。では、なぜ2種類包み紙があるか?それは、黄色いラッパーの中に茶色いものを混ぜる事でお菓子の見た目の「楽しさ」と「おいしさ」を演出するためです。色という「楽しむ要素」の大切さを常に考えているので、このようにユニークなアイデアが生まれたのです。